中小企業に経営理念、ビジョン、戦略が必要な理由

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中小企業の経営者の方と話をすると、「経営理念とかビジョンとか戦略なんてものは大企業の考え方であって、中小企業には不要だよー。」という意見をよく耳にします。


はたしてそうでしょうか。私は中小企業だからこそ、経営理念、ビジョン、戦略が必要であり、更に言えば、それらを社内外に表明すべきであると考えます。


そこで本日は、中小企業に経営理念、ビジョン、戦略が必要な理由を説明していきます。


経営理念、ビジョン、戦略の定義

①経営理念

経営理念とは、経営者が大切にしている想い、会社の存在意義、守るべき約束などを意味します。一言でいえば、経営者の『志』であり、組織文化を形成する根幹となるものです。


②ビジョン

ビジョンとは、将来のありたい姿であり、従業員にとって『道しるべ』となるものです。


③戦略

戦略とは、将来のありたい姿へ到達するための手段です。(厳密に言えば戦略は、全社戦略、事業戦略、機能戦略などに階層化されますが、ここでは一括りにして戦略とします。)


経営理念、ビジョン、戦略を図示すると以下になります。

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ビジョンがあるから、進むべき道が分かる。戦略があるから、進むべき道に障害があっても立ち向かうことができる。そして、経営理念があるからこそ、従業員は皆で信じた道を進むことができる。


このように言えるのではないでしょうか。


中小企業の経営者が経営理念、ビジョン、戦略は不要であると述べた理由

なぜ中小企業の経営者が、経営理念、ビジョン、戦略は不要であると述べるのか。理由は以下の二点に集約されます。


①外部環境に恵まれて、何も考えずにモノ、サービスを提供するだけで経営が成り立った。

②経営者が自社の経営理念、ビジョン、戦略に気付いていないだけ。(社内には暗黙知の経営理念、ビジョン、戦略が存在しており、従業員に浸透している。)


中小企業だからこそ経営理念、ビジョン、戦略が必要な理由

上述した①は、これまでの成功は偶然の産物であり、ただのラッキーパンチです。従業員が何を信じていいのか分からず、どこに進めばいいのかも分からず、障害があれば八方塞がり。こんな状況で成功が長続きするはずがありません。


②のケースでは、経営者、従業員の世代交代に伴い、暗黙知の経営理念が承継されなければ、皆が路頭に迷うリスクを抱えています。ビジョン、戦略は時代にあわせて変化させるものですが、経営理念は皆が歩みを一つにするための心の拠り所であり、不変です。心の拠り所をなくせば、皆がバラバラになり、企業は空中分解してしまいます。


中小企業では、経営者、従業員一人一人が企業全体に大きな影響を与えます。だからこそ、皆が信じ、同じ道を進むため、経営理念、ビジョン、戦略を形式知として社内に浸透させる必要があります。


まとめ -中小企業に経営理念、ビジョン、戦略が必要な理由-

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ビジョンがあるから、進むべき道が分かる。

戦略があるから、進むべき道に障害があっても立ち向かうことができる。

そして、経営理念があるからこそ、従業員は皆で信じた道を進むことができる。


経営理念、ビジョン、戦略が従業員に浸透していれば、


①経営者と従業員のベクトルが合い、最大の価値を効率的に創出できる。

②理念に則った行動、ビジョン、戦略から統一された企業イメージを外部に発信することができる。

➂統一された企業イメージはブランドとなり、競争力の源泉となる。


追伸

今となっては経営理念の重要性を認識していますが、会社員時代(13年間)自社の経営理念を知りませんでした。なんとなく経営理念と言われると、宗教っぽくて・・・。経営理念ではなく、『志』とか従業員に敬遠されない名前をつけることも大切かと!